保育士の給料って安いですよね。
「こんな給料で生活できるかよ!」って思いませんか?
実際、全産業平均より5万円以上も低い(2022年度)という統計結果が出ています。
今回は、「どうやったら上がるのか」を、給料が低い理由も含めて、簡単に解説します。
保育士の給料を上げる方法
ぶっちゃけ、給料の高い保育園(地域)で働くのが一番早いです。
だって「勤続20年で手取り月22万円」みたいな保育園とか、絶望しかありませんよね。
とはいえ、簡単に転職なんてできないと思いますので、まずは他の方法から順に紹介していきます。
国や自治体に訴える
シンプルに「保育士の給料を上げろー」と言いましょう。
給料が安い最大の原因は、国が設定した金額(公定価格)が低いから。
とりあえず文句を言わないと、「このままでいいんだな」と思われて終了です。
個人で言っても相手にされませんので、署名活動や議会陳情などで要望を訴えましょう。
○○保育連盟や△△保育協議会といった団体が署名活動などをやっているので、見かけたら協力してみてください。
「配置基準を改善しろー」も大事です。
多くの保育園において、保育士の配置を「国が決めた基準」よりも増やしています(そうしないと保育できないから)。
配置基準が改善されれば、今よりも運営費(委託費)に余裕が生まれるので、給料の改善にもつながります。
処遇改善加算をもらう
保育士の給料が低すぎるため、「処遇改善加算」という制度が作られました。
Ⅰ~Ⅲまであり、条件をクリアした保育園(人)に給料が上乗せされます。
- Ⅰ…長い職員が多いほどプラス・他
- Ⅱ…キャリアアップ研修を修了する
- Ⅲ…月9,000円もらえる(最低基準)
しかし、新人ばかりの保育園では「Ⅰ」の恩恵を受けられませんし、そもそも保育園として申請する気が無ければもらえません。
処遇改善加算をちゃんと受けている保育園かどうか、確認してみてください。
ちなみに、「Ⅱ・キャリアアップ研修」は、違う保育園に行っても修了資格が有効です(個人に紐づけされる)。受講しておいて損は無いでしょう。
「勤務内の研修」として受けさせてくれる保育園かどうかも重要です。
ベテランが多い&大きな保育園で働く
職員を増やすお金として、「チーム保育推進加算」があります。
対象は「職員の平均経験年数が12年以上」の保育園で、職員を1人増やせるだけのお金が出ます。
もらったお金で人を増やしているわけですが、もらわずに人を増やしている保育園よりは、お金があります。
もちろん人件費にも影響しますから、できればベテランが多い&大きな保育園で働きましょう。
なお、2024年度から4・5歳児の配置基準改善が改善され、「チーム保育推進加算」をもらっていない保育園にも、少しだけお金が入るようになります。
人件費比率の高い保育園で働く
私立保育園は、市町村から「委託費」をもらって、運営を委託されています。
「委託費」の8割が「人件費」とされているのですが、「他のことにも使っていい(弾力運用)」となっています。
当然ですが、人件費比率が80%と50%では、給料に大きな差が出ます。
できるだけ人件費比率の高い保育園で働きましょう。
社会福祉法人の方が高めの傾向にあります
給料の高い地域で働く
都道府県や市町村によっては、独自に手当てや補助金を出しているところがあります。
都市部ほど手厚いですが、特に東京23区などはお金があるので、保育士の給料も高いです。
千葉や埼玉など、都内に通える範囲内であれば、選択肢として考えてもいいかもしれません。
引っ越しが可能なら、思い切って移住という手もあります。
「保育士宿舎借り上げ支援事業」を使う
いわゆる「家賃補助」です。
給料アップではありませんが、支出を抑えるという点で有効活用できます。
条件は、「採用された日から10年以内」「保育園が借りた部屋に住む」などです。
月々最大82,000円が補助されるのは大きいです。
対象外の自治体や保育園もありますが、使える人はぜひ使いましょう。
他の資格を取得してみる
正直、給料アップはあまり期待できませんが、スキルアップという点ではアリです。
保育園によっては、サブスキルを考慮して、手当をもらえるかもしれません。
個人的には、他の職種のスキルを身につけた方が役に立つかなと思っています。
もちろん、保育に直結するスキルも、働き方の幅を広げることにつながるでしょう。
まとめ
保育士の給料は、簡単には上がらない仕組みになっています。
今の保育園を続けるなら、「処遇改善加算」や「手当」などをもらえるだけもらいましょう。
給料の高い保育園に行くなら、「人件費比率が高い」「ベテランが多い」「加算をもらっている」というような保育園を、しっかりと見極めてくださいね。