保育士を増やすためのお金として、「チーム保育推進加算」というものがあります。
普通に働いていても、あまり耳にしない言葉ですよね。
しかし、実は回りまわって給料にも関係してきます。
ということで、今回は「チーム保育推進加算」について、ザックリ解説します。
- 保育士を1人~2人増やせる
- 1人増…平均経験年数12年以上の施設
- さらに1人増…定員121人以上の施設
- 施設に人件費が入る
- 人件費を分け合わなくて済む
「チーム保育推進加算」って何?
2016年度から始まった制度です。
最低基準より多くの保育士を配置すると、保育士1人分の人件費が施設に入ります。
2022年度までは1人だけでしたが、2023年度から2人まで増やせるようになりました。
ただし、どこの保育園でもOKというわけではありません。
対象となる施設が2段階で設定されています。
1.平均経験年数12年以上
2.定員121人以上の施設
1.平均経験年数12年以上
職員の「平均経験年数が12年以上」の施設に、1人を加配できます。
当初は、平均「勤続」年数15年以上でしたが、2020年度から緩くなりました。
勤続→経験
15年以上→12年以上
「経験」年数なので、今の保育園で1年目でも、他の保育園で11年の経験があれば、平均をクリアします。
たとえば経験40年のベテランがいたりすると、平均を引き上げてくれるので助かります。逆に新人ばっかりだと「12年以上」をクリアするのが大変です。
2.定員121人以上の施設
「定員121人以上」の施設であれば、さらに1人を加配できます。
「平均経験年数12年以上」と合わせて2人まで加配できます
これにより、4・5歳児25対1での保育が可能になります。
「チーム保育推進加算」の問題点
対象となる施設が少ない
まず、「平均経験年数12年以上」の施設は、全体の20%くらいと言われています。
残りの80%は、加算を受けられません。
また、「定員121人以上」の施設は、さらにその20%くらいとのこと。
つまり、以下のようになります。
1人増やせる施設…全体の20%
2人増やせる施設…全体の4%
政府としては「チーム保育」のための加算なので、「新人ばっかりで子どもも少ないところ」には、お金をくれないようです。
2024年度の配置基準改善の加算対象外
2023年12月22日付「こども未来戦略」内の配置基準改善において、4・5歳児の改善に加算措置が設けられました。
しかし、「チーム保育推進加算」を取得している施設は、4・5歳児改善加算の対象外とのことです。
「チーム保育」と「改善加算」は、別物です。
さらに上乗せして加算をもらえるようにするべきだと考えます。
「チーム保育推進加算」を取得している保育園で働こう
これまで書いてきた通り、「チーム保育推進加算」を取得できる施設は限られます。
そして、取得できればお金が入り、保育士を1人増やしても、人件費を薄めて分け合う必要がありません。
お金が入ってこない施設では、保育士を1人増やすと、その分だけ1人あたりの給料が減ります。
(9500万円+0円)÷20人=1人475万円
(9500万円+500万円)÷20人=1人500万円
このように、加算をもらっている施設の方が、給料を多くもらえることになります。
可能であれば、「チーム保育推進加算」を取得している保育園で働きましょう。