「学校は一斉休校、保育所は原則開所」
これを聞いたとき、「なんで保育園も休みにしないんだ」と思いませんでしたか?
その後、『登園自粛をお願いしてもいい』ということになりましたが、それでも開所が原則です。
本当は保育園だって休みにしてほしいですよね。
保育士だって休みたいですよね。
実は、そんな状況でも休める保育士は存在しました。
私もその1人ですが、やっぱり保育士がたくさんいれば体制的に休みを調整しやすいんですよ。
ということで、今回はそのあたりをザックリ解説します。
保育士がコロナ禍でも休めない理由
休園したら保護者が働けない
休めない職種は他にもたくさんありますが、子ども関係で言えば、小学校は一斉休校になりました。
「だったら保育園だって休園にするべきじゃないか」と思うのは当然です。
でも感染が広がらないと休園にはならない、感染しないと保育士は休めない、みたいなことになってしまっています。
保育所保育指針に、こんなことが書かれています。
「保育を必要とする子どもの保育を行い…」
引用元:保育所保育指針・保育所の役割より
「入所する子どもの保護者に対する支援…」
子どもを預からないと保護者が仕事へ行けない
⇒収入が無くなる
⇒経済活動が停止する
⇒だから保育園は開けてくれ、ということです(働く保護者のためだけではありませんが)。
学童保育も同様に、朝から晩まで開けることになりました。小学校低学年の子どもを一人で留守番させるわけにはいきませんから。
このように、保育士は社会的に大きな役割を果たしているわけですね(だから給料上げろ!)。
保育士が足らない
ただでさえ足りていないところへ、消毒や感染防止などの新型コロナ対応で、仕事が増えています。
預け先のない子育て中の保育士が休めば、さらに人手が減るため、自分の子どもを家に一人残して保育園に出勤している保育士もいます。
不安ですよね。本当は休みたい。でも人が足らないから休めない。
そんな状況のなか、厚生労働省は、こんなことまで言う始末。
「保育士が足りなくてもいいから開けろ」
(弾力運用)「休園したら家まで行って保育しろ」
(訪問保育)
今回の件で、「もう保育士辞めよう」と思った人も多いのではないでしょうか。
休める保育士と休めない保育士
では、どうやったら休めるのか。休める保育士と休めない保育士では、何が違うのでしょうか。
実際には、休園しても自宅で事務仕事をすることになるとは思いますが(でも事務をガッツリできるって嬉しいですよね!)、休園していなくても休める保育士はいます。
人件費率の高い保育園
人件費としてたくさんお金を出している保育園では、配置基準よりも多くの保育士を配置しているため(それでも足りないくらいですが)、比較的休みやすい環境にあります。
このような保育園なら今回の新型コロナでも、子育て中の保育士は休み、そうではない保育士も交代で休んだり早退するなど、なんとか調整ができます。
私の勤める保育園では、50代以上の職員(パートさん含む)には、全員休んでもらいました(もちろん給料はちゃんと出ます)。
逆に、人件費にお金を使わない保育園は、配置基準ギリギリの人数で保育をしているところも多く、非常に大変です。
子どもの数が減っても、休んだりする余裕はまだまだ生まれません。
外部からその保育園の人件費率を見ることは難しいですが、職員・社員がたくさんいる保育園かどうかは、大きなポイントです。
また、有資格者の割合も重要です。
パートや派遣で働く
一般的に、正規職員よりもパート職員の方が優先的に休めます(中にはパートさんに冷たい保育園もありますが…)。
また、休みやすさで言えば、派遣が一番です。
派遣会社が保育園との間に入って話をしてくれますし、『非常事態でも休めない』なんて心配はありません。直接雇用ではないところのメリットですね。
派遣切りをされてしまい、収入が途絶える懸念はありますが、保育士は常に募集しているので、コロナが収まるのを待ってから働き始めてもいいかもしれません。
まとめ:コロナ禍でも休める働き方を選択しよう
保育園は集団生活の場ですから、感染症が広がりやすい環境にあります。
特に冬場はインフルエンザ、乳児のノロウイルス&ロタウイルスなどなど。
だからこそ「保育園も休園にした方が子どもたちも保育士も守れるのでは?」と考えますが、家庭で過ごすことによる弊害(虐待などのリスク)もありますし、保育園はセーフティネットにもなっています。
一番の解決法は、国や自治体がもっと保育士の給料を上げて、保育士を増やして、働きやすい&休みやすいようにしてくれることですね。
実現は簡単ではないので、常に改善を求めつつ、いまの自分にとって最善の働き方を選択できるように準備しておきましょう。