「保育士が感染!保育士が感染!」
保育士ばっかり騒ぎすぎじゃありませんか?
私が保育士だから、そう感じるだけでしょうか?
良い知らせならともかく、やたら”保育士”を強調してネガティブな報道ばかり。
確かにここ最近、保育士や保育関係者の新型コロナ感染が増えてきました。保護者の不安な気持ちを考えると、ある程度の報道にも理解は示します。
それを聞いて、「保育士さん大変だなぁ」と案じてくれる人がいることは、ありがたいと思います。保育の過酷さなどを知ってもらえるメリットもあります。
しかし一部では、まるで犯罪者のように扱われますよね。
感染を責めるべきではありませんし、個人情報まで詳細に公表したところで、なぁーーーーーにもいいことはありません。
今回はその理由と(当たり前すぎる内容ですが)、解決策についての話です。
国による十分な補償と検査があれば、誰も責めないし責められない!
コロナに感染した保育士個人の詳細な公表をやめるべき理由
外出できなくなる
保育士の感染を、個人レベルでずいぶんと詳しく報道しますよね。
- 20代の女性保育士
- ●●保育園に勤務
- ●●線の電車を利用
- ●●行きのバスを利用
さらには『同居人の有無』まで調べて公表されます。
実際、鳥取などの地方では、噂に尾ひれが付いて、風評被害まで出ているほど。
注意喚起の意味合いが含まれるとはいえ、個人を特定されるほどの情報を流されると、回復後にもう外出できません。
保育士を追い詰める
もし保育園から感染者が出ると、休園になり、保護者は仕事へ行けず、職員と子どもたちは濃厚接触者としてPCR検査。
「少なくとも自分が感染者第一号になるわけにはいかない」というプレッシャーを、常に感じながら保育をすることになります。
危機感を持つことは必要ですが、過大な緊張を与えることは、保育にも悪い影響が出ますし、保育士を追い詰めることになります。
保育士がいなくなる
そしていざ感染すると、お詫び行脚。
いろんな人に迷惑をかけたとして、「申し訳ございません」と言い続ける日々。
「元気になって良かったね」と言ってくれる保育園なら救われますが、責める人はどうしても出てきます。
本来は、感染者を責めるべきではないんです。誰でも感染する可能性はあるわけですし、そもそも本当にその保育士が第一号なのかどうかも分かりません(無症状の感染者が先にいたかもしれない)。
しかし、迷惑をかけられたと思っている人たちは、不満をどこかにぶつけたい。その対象としやすいのが、感染者として判明した保育士になってしまう。
その空気と、責任の大きさに耐えきれず、退職してもおかしくありません。
仮に、遊びに行った先でクラスターが発生したとしても、「じゃあ保育士はどこにも行っちゃいけないの?」と思い、それこそもう保育士なんて辞めたくなります。
感染した保育士を守る方法
まずは、国によるしっかりとした補償です。
保育園がしばらく休園になったとしても、保護者には安心して仕事を休めるだけのお金を出す。必要に応じて、代わりに預けられる場所を確保する。
影響を最小限にすることで、感染した保育士への誹謗中傷を軽減できますし、感染への恐怖も和らげられます。
また、感染後の検査対象をもっと広くすることも有効だと思います。
濃厚接触者だけではなく、子ども、職員、保護者はもちろん、祖父母まで。
それでも不安な人はいるかもしれませんが、少なくとも個人情報はおろか、保育園名すら公表する必要は無くなります。
感染した保育士を責めるなんて気が起こらなくなるくらいの、こういった補償や政策が必要なのではないでしょうか。
まとめ:コロナ感染は悪くない
責任に見合わない給料や労働環境で頑張ってきて、コロナ禍でも必死に保育して、それなのに晒されて責められて。
これじゃあ、もう誰も保育士なんかやらねーよ!って思っちゃいますよね。
そうなってしまわないよう、保育士を追い詰めるような報道は、やめてください。
そして、誰かが悪いわけではなく、誰かが責任を感じてしまうようなことにもせず、ただ回復を願って、終息のために協力する。
みんながそんな気持ちになれるよう、そんな思いを持てるように、補償や検査を充実させてほしいと願います。