来年度も続けようと思っていたけど、新年度が近づくにつれて、やっぱり辞めたくなることってありますよね。
「やっぱり無理…辞めたい…」
「今さら辞めるなんて言えない…」
「でもあと1年も続ける自信が無い…」
悩んでいたら辞められないまま新年度になってしまい、結局もう1年…なんてこともあると思います。
しかし、つらい気持ちのまま過ごす1年はとても長いですし、その間に身体や心を壊しては元も子もありません。
そこで、この記事では、新年度直前に辞めたいと言っても辞められるのか&どうやったら辞められるのかを解説します。
タイミング的に円満退職は難しいですが、できるだけトラブルを避けつつ上手に辞めましょう。
新年度直前の3月でも保育士を辞められるの?
結論から言うと、『法律的には二週間前に退職を申し出ればOK』ということになっています。
【民法627条1項】
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
つまり、3月17日に「辞めます」と言えば、3月31日には辞められるわけですね。
どんな契約で働いていたかによって細かく異なる部分もありますが(年俸制など)、普通に就職した一般的な保育士であれば、二週間前に申告すれば問題ありません。
就業規則に『三ヶ月前に退職を申し出ること』と書いてあっても、実際には二週間前で大丈夫なことが多いです。
とはいえ、いらぬトラブルは避けるべきなので、事前に確認しておいた方がいいでしょう。
「直接は言いにくいなぁ」と思うなら、退職届で意思表示をすることもできます。
【実話】新年度の1か月前(3月頭)に退職を申し出た保育士の話
概要は以下の通りです。
- Aさん:非正規(常勤)
- 来年度の担任も決まっていた
- 3月頭になって「今年度で辞めます」と申し出た
そしてどうなったかというと、3月最初の職員会議で園長がキレました。
「もう担任も決まっているのに非常識よ!」と、Aさんも含めた全員の前で言うわけです。
確かに担任決めや人手確保は大変だと思います。しかし職員(しかも非正規の常勤)にそこまでの責任はありません。
労働者の権利上、本当はいつ辞めてもいいはずなのですが、年度単位が当たり前になってしまっている職種のツライところですね。
どうしても辞めづらいときの妥協案
「さすがに今からだと辞めづらいなぁ…」と思ったら、こんな妥協案もあります。
6月くらいまで頑張る
保育園で一番バタバタするのは、新年度ですよね。
4月と5月が過ぎればそこそこ落ち着くので、5月いっぱいでの退職なら保育園的にも納得です。
3月中旬に退職を伝えたとしても3か月以上ありますので、引継ぎもまったく問題ありません。
また、6月末まで働けば、最後にボーナスをもらって辞められるかもしれません。
ただし、その保育士は12月の時点で年度内での退職希望を伝えており、保育園側から「6月いっぱいまで働いてほしい」とお願いされての勤務です。
『どうせ辞めるからボーナスは出さない』という判断をする保育園があっても、不思議ではありません。
※雇用契約でボーナスが決められている場合の『無断カット』は違法です。
ボーナスをもらえるならその方がお得なので、6月末まで働くのもアリだと思います。
4月からパートになる
辞めるのが無理なら、働き方を変えるという手段があります。
時間や日数を減らして負担を軽くしつつ、頃合いを見て退職。パートであれば、正規職員・正社員よりも辞めやすいですからね。
ひとつ気を付けなければならないのは、退職金について。
正規職員だった保育士が4月からパートになり、辞めるときの退職金を減らされたケースがありました。
もちろん抗議して、正規職員だった頃の退職金までもらいましたが、
・正規職員分として一旦もらってからパートで再加入するのか
・正規職員分を法人(会社)に預けた形でパートに引き継いでいくのか
など、退職金については、しっかり確認しておきましょう。
まとめ:いつでも辞めていい
もし病気になったり、保育士が嫌いになったりするくらいなら、新年度直前だろうといつだろうと、早く辞めた方がいいと思っています。
法律上は、二週間前に言えば辞められますからね。
「あと少しなら大丈夫そう」なのであれば、6月末までやってみたり、パートになってみたり、ということも検討してみてください。
「もう二度と保育士なんかやらないしできない!」と思ってしまう前に、一度離れましょう。