「就職先に手土産を持って行くべき?」
「持って行った方が印象はいいよね?」
「やっぱ菓子折りかな?」
「全員分?相場は?」
こんな悩みを持っている新人保育士(学生さん)に、お答えします。
いりませんからー!
「これからお世話になるし、最初のご挨拶として渡した方がいいのかな」と思うかもしれませんが、そんなものは不要です。
印象が良くなるどころか、逆に警戒されたり、迷惑をかけてしまうこともあるので、気をつけましょう。
【菓子折り】就職する保育園に手土産が不要な理由
食物アレルギーの誤食事故
まず心配なのが、食物アレルギーの誤食。
保育園には、食物アレルギーを持った子どもがいます(いない園もあります)。
仮にクッキーを手土産として持参し、それを何らかの理由でアレルギー児が食べてしまったら、どうなるでしょうか。
2歳児の部屋に、スライスアーモンドが落ちていた。そのクラスには、ナッツ類の食物アレルギーを持つ子どもがいる。しかもアナフィラキシーショックを起こしたことがある。
なぜ、落ちていたのか。
職員が旅行で買ってきたお土産にスライスアーモンドが乗っており、部屋で食べたときに落ちたようだ。
もしアレルギー児が口にしていたら…。
「部屋で食べるなよ」って話ですが、休憩室で食べたとしても、服やエプロンに付いてくることはありますよね。
保育園によっては、乳成分や卵成分などが含まれているお菓子について、
『園内で食べちゃダメ』
『園内に持ち込んじゃダメ』
というルールを定めているところもあります。
このような保育園であれば、まだ心配は少ないのですが、危機感の薄い保育園だったら事故が起こるかもしれません。
かといって、「手土産としてお菓子を持って行ってもいいですか?」と電話で聞いてみるのも変な話です。
普通の保育園であれば、
「そんな気を使わなくて大丈夫よ」
「いらないいらない(笑)」
と言ってくれるはずなので、手土産や菓子折りで悩むことはありません。
むしろ「持ってきなさい」と言われたら、その保育園は危ないです(後述)。
手土産で評価されるべきではない
まともな保育園であれば、手土産の有無に関係なく、普段の勤務態度や保育内容できちんと評価してくれます。
むしろ「ご機嫌取りをするような子なのかも…」と、警戒されてしまうかもしれません(さすがにここまで心配しなくても大丈夫ですが)。
一方、中には危険な保育園もあります。
「あなたは気が利くのね~」
「いい子だって、他の先生にも言っておくから」
わかりますか?
「こんな保育園ねーよ(笑)」
と思うかもしれませんが、あるんです。
こういう保育園は、正当な評価をしません。どんなにいい保育をしても、園長にとっては贈り物の方が上なんです。
これが続くとどうなるか。
手土産が無いことで「あの子はダメだ」みたいに言われることを恐れ、なにかと園長へ差し入れ(ワイロ)を渡し、園長に気に入られるための保育をしてしまうようになります。
それって、子どもにも自分にも良くないですよね。
ボーナスが支給された12月、1年目の新人保育士が、先輩保育士から言われました。
「園長先生に何か持って行った方がいいよ」
はじめは意味がわかりませんでしたが、この保育園では、ボーナスが支給されたら園長へ贈り物をする慣習があるらしいのです。
「私にボーナスをくださってありがとうございます」と…。
たしかにボーナスは必ず支給されるというものではありませんが、もらったからといって、お礼までする必要はありません。
おそらくこの保育園では、園長に贈り物をしなかった人は、次のボーナスを減らされたり、なにか不利益(嫌がらせ)をされるのだと思います。
こうした圧力によって忖度させておきながら、園長は「お礼の品を持って来いなんて一度も言っていない」と否定するわけですね。
さすがにこんな保育園はごく一部だと信じたいですが、一定数が存在することは事実です。
お金がもったいない
あとは単純に「お金を使いたくない」というのがあります。
まだ働いてもいないのに、そして働いても手取りは13万円程度なのに、そこでお金を使うのはもったいないと思いませんか?
どうしてもと言うなら、小さくてたくさん入っているやつにしましょう。
菓子折りだと、配りやすいのは個数モノですよね。
保育園の規模にもよりますが、1個110円だとして、20人で2,200円、40人で4,400円。
まとめ:手土産とか考えなくていい
- お菓子は食物アレルギーの危険がある
- 手土産で評価されるべきではない
- お金がもったいない
「これからお世話になるご挨拶に」
「少しでも好印象を」
と思って手土産を用意しても、デメリットの方が大きいですし、保育園側も戸惑います。
気持ちはわかりますが、手土産なんか考えなくても大丈夫ですよ!